センター試験の評論の得点を安定させる4つのポイント

ゴールデンウィーク前に、センター現代文の解き方講座をしました。
で、GW中にマーク模試があった生徒が開口一番、「先生のやり方で解いたら本当に解きやすかった!」と言いながら、自己採点結果を見せてくれました。
今まで現代文の正答率が5割弱だったのが、今回はなんと9割まで上昇。
こりゃビックリ。
ちょうどさっき、センター評論のポイントをインスタグラムに投稿したところでした。
せっかくなので『センター評論の取り方』について、ここでも軽くまとめておきます。
センター評論は『筆者の主張』を抜き出す
センター評論で問われるのは、『筆者の主張を本文中から抜き出す能力』です。
そのために、
- 抽象⇔具体
- 傍線部分析
- 言い換え
- 選択肢の○×チェック
の4つの武器を駆使していきましょう。
①抽象⇔具体
評論文で筆者が伝えたいのは、『抽象的な主張』です。
「お金には価値がない」的な感じの、パッと見では分かりにくい主張。
その主張をできるだけ分かりやすく伝えるために、筆者は『具体例』という武器をバンバン用います。
- 1万円札は一枚あたり約20円で作られている
- お金は物々交換の仲介役として誕生した
- お金を使うことで食料や日用品が手に入る
みたいなね。
ここで重要なのは、「具体例は筆者の意見じゃない」ってこと。
具体例ってのはあくまでも、筆者の意見を補強するための手段にすぎません。
そしてセンター評論は、『筆者の主張を本文中から抜き出す能力』を試されているので、具体例が問題の鍵をにぎる事はありません。
評論の鍵は『抽象』にあります。
なのでセンター評論を解くときは、具体例を軽く読み流していきましょう。
これで評論問題を解くための材料がそろいます。
②傍線部分析
センター国語に出てくる問題は、すべて傍線部に関する問題です。
評論で問題となるのは、
- どういうことか(言い換え)
- なぜか(理由・原因)
のふたつ。
なぜか(理由・原因)を聞く問題は、『具体』を省いて『抽象』を追いかければだいたい正解します。
問題なのは、どういうことか(言い換え)を聞く問題。
これに正しく答えるためには、傍線部をしっかり分析しなければなりません。
もっとも大切なのは、傍線部のある一文すべてに傍線部を引き直す、ということ。
詳しくは次の項目で。
③言い換え
どういうことか(言い換え)を聞く問題は、そのまんま、「これってつまり、どういうことを言ってるの?」ってのを聞いてる問題です。
そしてこのときに求められる言い換えは、ほとんど単調な作業で完結します。
たとえば以下の文章(出典:2015年度センター本試験 現代文より)を読んでみてください。
ひとは「歴史」を書くつもりで、ついつい物語を書いてしまう。しかしネット以後、このような一種の系譜学的な知よりも、「歴史」全体を「塊」のように捉える、いわばホーリスティック(全体的・包括的)な考え方がメインになってきたのではないかと思うのです。これはある意味では「歴史」の崩壊でもあります。
下線部はどういうことか。と聞かれたら、どう答えるでしょうか。
まず傍線部は「歴史」の崩壊ですが、これはある意味では「歴史」の崩壊でもありますまで引き直します。
そして、これに対して言い換えを行う必要があります。
言い換えでは、「これ」、「それ」などの指示後はもちろんのこと、よく分からないフレーズも言い換えなければなりません。
今の文でいえば、
- これ
- 歴史の崩壊
が、それぞれ何を意味しているのかを言い換えろ、ということです。
「これ」というのは、直前の文章の
ネット以後、このような一種の系譜学的な知よりも、「歴史」全体を「塊」のように捉える、いわばホーリスティック(全体的・包括的)な考え方がメインになってきた
という部分ですね。
これだけじゃまだ甘いです。
今抜き出してきた文章でも、言い換えなければならない部分があります。
ネット以後、このような一種の系譜学的な知よりも、「歴史」全体を「塊」のように捉える、いわばホーリスティック(全体的・包括的)な考え方がメインになってきた
ここで系譜学という言葉の意味を知っていれば、それだけでかなり上質な言い換えが可能になります。
ですが実際には、系譜学という言葉の意味を知らない人の方が多数なので、このようなを言い換えることで意味を捉えましょう。
このようなが指すのは直前の文章、
ひとは「歴史」を書くつもりで、ついつい物語を書いてしまう。
ですね。
つまり、物語的な感じ、ってことです。
これを踏まえて
ネット以後、このような一種の系譜学的な知よりも、「歴史」全体を「塊」のように捉える、いわばホーリスティック(全体的・包括的)な考え方がメインになってきた
を言い換えると、
ネット以後、物語的な感じよりも、「歴史」全体を「塊」のように捉える、いわばホーリスティック(全体的・包括的)な考え方がメインになってきた
という具合になります。
そしてこの文章に対して、これはある意味では「歴史」の崩壊でもあります、と言っているんです。
つまり、
物語的な感じよりも、「歴史」全体を「塊」のように捉える、いわばホーリスティック(全体的・包括的)な考え方がメインになってきた
=「歴史」の崩壊
ってこと。
かつては歴史を物語的に考えていたけど、最近はまとまった一個の塊として考えるようになったよね~
ってことを、「歴史」の崩壊、って言ってるんです。
これが言い換えです。
④選択肢の○×チェック
- 抽象⇔具体
- 傍線部分析
- 言い換え
ができれば、あとはそれに合った選択肢を選ぶだけです。
このときに使えるのが、選択肢の○×チェックです。
センター現代文は、選択肢自体もかなり長文です。
なのですべての選択肢に、読点「、」ごとにスラッシュを入れましょう。
そしてスラッシュの区切りごとに、本文とズレたことを言っていないか○×チェックをします。
これに関しては、もうインスタグラムの方を見てください笑
実際にどう○×をつけているのかの写真もあるので。
最後に
そんなわけで、センター評論の得点を安定させるための4つのポイントでした。
- 抽象⇔具体
- 傍線部分析
- 言い換え
- 選択肢の○×チェック
です。
あとはこれらを意識して、ひたすら練習あるのみです。
普通はガッツリ練習しないと成果につながらないので。