カッコイイ大人になっていこうぜ

受験ってのは本当に何があるか分かりません。
模試でA判定しか取ったことのなかった生徒が、本番でまさかの不合格になったり、
模試でE判定しか見たことのない生徒が、本番で逆転合格を決めることも珍しくありません。
夏休みが終わって9月に入りました。
先日のブログでも、『8月は受験の天王山』という話に触れましたが、8月が終わった今の時期から”志望校の変更”を考える受験生がじわじわと増えてきます。
学校の先生としても、「少しでも受かる可能性の高い学校を」という意識が強く、センター試験5ヶ月前の今くらいから、志望校を引き下げる話を出し始めます。
しょうがないといえば、しょうがない話だと思います。
ですが僕個人の気持ちとしては、
志望校は最後まで下げないでほしい。
2つの選択肢
確かに受験ってのは、基本的にチャンスは一度きり。
どれだけ模試で良い点数が取れていたとしても、本番でヘマをしたらそれまで。
だから本番が近くになるにつれて、”今の実力で余裕で合格できそうな大学”に志望校を引き下げる心境も分かります。
ここで出現しているのは、
- 志望校を引き下げて、確実に合格できそうな大学を受験する
- 志望校を変えずに、勝負に出る
という2つの選択肢。
この選択肢はそのまま、
- 失敗を回避するために、勝負を避ける
- 失敗の可能性を踏まえて、勝負に出る
という選択肢に変換できると思います。
そしてこの2つの選択肢とは、これからの人生で何度も何度も出くわすことになります。
きっとその中には、”人生を大きく左右する場面での決断”を迫られることもあるでしょう。
そのときにも登場するのはやはり、
- 失敗を回避するために、勝負を避ける
- 失敗の可能性を踏まえて、勝負に出る
という2つの選択肢です。
この2つの選択肢がある限り、『失敗を回避する』という選択を取り続けることができます。
- 第一志望校の判定がE判定だったとき。
- 大学に入学した初日、隣の席の子と仲良くなりたいと思ったとき。
- 大学に入学して新しいことに挑戦しようと思ったとき。
- 好きな人に告白したいと思ったとき。
- 就職活動のとき。
- 独立しようと思ったとき。
- 会社の新規プロジェクトに携わるとき。
- 生きることが辛くなってきたとき。
…などなど。
人生の岐路に立つときは、どんなときであっても、
- 失敗を回避するために、勝負を避ける
- 失敗の可能性を踏まえて、勝負に出る
の2つの選択肢が登場し、いつでも『失敗を回避する』という選択を取ることができます。
失敗を恐れない大人を目指せ
でも僕はやっぱり、『失敗の可能性を踏まえて、勝負に出る』という選択ができる人間になりたいんです。
いつか僕がおじいちゃんになって、かわいい孫ができたときに、
「俺は昔、こんなことにも挑戦したんだぞ!失敗したけどな!ガッハッハッハ!!」
みたいな武勇伝を語りたいんです。
また、失敗の数が増えれば増えるほど、何かの分野で成功を収めることもあるでしょう。
『1の成功の裏には、100の失敗がある』ともいわれます。
成功している人は、結局のところ、誰よりも失敗を積み重ねているんです。
光の当たっている一面しか見えていないから「あの人は天才だ!」とか言われているだけで、裏ではうんと失敗しています。
僕もアホみたいに失敗しています。
でも、『その失敗があったからこそ得られた成功』ってのもたくさんあります。
で、そこで得られた成功ってのは、本当にかけがえのないモノだったりするんです。
「あの失敗があったから、今こうして充実している」なんて言えることもあるんです。
そして何よりも、失敗をたくさん重ねてきた人ってのは本当にカッコイイ。
何度も壁にぶち当たって、何度も転んで、何度も傷ついて。
それでも何とか歯を食いしばって立ち上がって、懸命に前に進んできたっていう人生を持っている人ってのは、言葉では言い荒らせないオーラがあります。
マジカッコイイ。
だからこそ世の中の子供たちにも、『失敗の可能性を踏まえて、勝負に出る』という選択、決断ができる人になってもらいたい。
この決断をする最初のチャンスが、”受験”だと思います。
今までの人生の中で、最も頭を抱える決断。
考えすぎて胃が痛くなることもあるでしょうし、考えるのが嫌になって涙が出てくることもあるかもしれません。
そこまで真剣に考えて、
- 失敗を回避するために、勝負を避ける
- 失敗の可能性を踏まえて、勝負に出る
のどちらを選択するのか。
人生で一度きりの決断のとき。
正解なんてありません。
本気で悩んで、本気で出した答えなんだったら、どう転んでもそれは”かけがえのない経験”になることでしょう。
下手に親とか先生が「志望校、下げたら?」とか言って介入したら、その”かけがえのない経験”を奪い取ることになります。
だからせめて、生徒本人が納得する答えを出すまでは、静かに側で見守っていてほしい。
人生で一度きりのチャンスを、むざむざと奪い取らないでほしい。
そしてこれを読んでいるあなたが高校生なら。
人生で一度きりの決断なんだから、親や先生の言うことなんか一回無視して、頭が爆発するくらい真剣に考えてみなよ。
どうせ5年後には、今の悩みがちっぽけに思えるくらい、新しい大きな悩みにぶち当たっているんだから。
一緒にカッコイイ大人になっていこうぜ。